日本全国を測量する為に小田原を歩いていた伊能忠敬が出会ったのは、二宮金次郎と名乗る少年であった。薪を背負い、『中庸』を読むその少年は貧しい家に住んでいた。父は既に亡くし、母さえも失った二宮兄弟たちは親戚の家にバラバラに預けられたが……。